読書感想文──アンドロイドは電気羊の夢を見るか?──

これは何

いつもの読書感想文です。とりあえず何か形にして残そうという気持ちだけで書いてるので、伝えたいという意識はあったりなかったりします。ご了承ください。

 

自分語り

自分は情報系の人間だったり、デレマスのアタシポンコツアンドロイドが好きだったりでこの本を一度は読んでみたいと思っていました。なぜ今まで読んでこなかったかというと、自分はそもそもSFというものにあまり触れたことがなく、また他に読みたい本がもっと安く売っていたり、まとまった本を読む時間が取れなかったりしたためです。

まあそれは言い訳に過ぎず、自分はこの本を読むまで、この本がSFであるということ以外の情報をほとんど知りませんでした。こういった状況によくないなぁとはずっと前から思っていて、それで今回たまたままとまった本を読む時間が取れたので読んでみたというわけです。

ところで自分は電気羊といわれるとポケモンメリープの姿を思い浮かべるのですが、みなさんはどうでしょうか。そのイメージがあるのでこの小説はなにかふわふわした感じの話かなぁと期待してたのですが、案の定SFらしい退廃的で陰鬱で金属的な話でしたね。

 

閑話休題

感想を雑に書き下していきます。多少のネタバレを含んでいるかもしれませんのでご了承ください。

 

感想

全体的な感想ですが、とにかく引き込まれました。文学というものを体感しました。ストーリーがいいとか描写がいいとか、そういうったことを超えた何か強い意志を感じることができて夢中になれました。読んでる途中では物語の表面しか追えてなかったのですが、訳者あとがきでオマージュや登場物が意味している内容などのヒントや答えを見て、この一冊で様々なSFにありがちな問題を触れているのだと知り、この小説の緻密さに脱帽しました。おそらく今の自分ではもう一度読み直してもそういった裏の意味のようなものを理解できるとは思いえませんが、機会があればもう一度読んでみたいと思いました。

それで次は自分が追えていたストーリー部分に入るのですが、簡単に説明すると、アンドロイドがその主人を殺し火星から地球へ不正にやってくることが稀にある世界で、最新型のアンドロイドが8人も一気にやってきて、それをバウンティハンターと呼ばれる職業に就く主人公が倒すという話です。読めばわかりますが、もちろん実際はこれほど単純な内容ではありません。物語中には主人公の妻や隣人に上司、新型アンドロイドを開発した会社の社長と姪、同じバウンティハンター、劣った人の烙印である特マルを押された人などが出てきて、これらが主人公に対し様々な効果を引き起こします。

また、この世界も単純な世界ではありません。現実とはまったく異なる宗教、価値観、世界情勢があり、それらは主人公の大部分を形作っています。そしてその価値観と主人公の考えとが衝突します。アンドロイドと人間の区別が、実際のものと主人公の直観によるものとが乖離し始めるのです。途中では主人公自身も自分が本当に人間かを疑い、それを見極める検査を行うある種滑稽な場面もありました。とにかく、そういったものに主人公が影響され、翻弄され、自分なりに抗う姿は読んでいてとても面白かったです。

 

ここまで書いてアレですが、自分のこの本の感想はとてもごちゃごちゃしたものです。これはこの本が自分が読むにはレベルが高すぎたのかもしれないですし、この本や文学というものがそういうものなのかもしれません、おそらく前者だとは思いますが。それでも自分なりに考察できた部分も多少はあり、読んでよかったと思っています。訳者あとがきで書かれていましたが、この小説は傑作だそうです。自分はあまり本を読まないので他と比べての相対評価はできませんが、絶対評価で考えると自分も傑作と言い切れます。それほど夢中に読める本でした。

 

でも次はもっと気楽に読める本を読みたいな......