はらちゃんラーメンなる店ありて

これは何

猫ラーメン、もしくははらちゃんラーメンなる店を知っているだろうか。

自分は京都に下宿してから幾度となく訪れた。

下宿から歩いていける距離だ。

友人と待ち合わせをして行くことも、一人でふらっと尋ねることもあった。

そしていつでもそのラーメンは自分を暖かく受け入れてくれた。

初めて行った日も、冬の寒い日も、そのラーメンは京都に似つかわずあっさりで、少しピリ辛で、そして何よりあったかかった。

ラーメンだけではない、店全体が、あったかかった。

 

 

今日、2018年9月24日、そのはらちゃんラーメンが店を閉めることになった。

 

 

それはあまりにも唐突だった。

 

友人といつか行こうと約束していた。

後輩にいつか奢ると約束していた。

いつまでも、ずっとそこにあるものだと思っていた。

いままでも。これからも。ずっと、ずっと。

 

 

 

二度と行くことができないこの店のことを、二度と食べることができないあのラーメンのことを、少しでも記録に留めようとこの記事を書きました。

自分が時々この記事を見直して、感傷に浸ることを想定して作っています。あらかじめご了承下さい。

 

 

 

自分語り

四畳半神話大系というアニメをご存知でしょうか?

簡単に説明すると、薔薇色のキャンパスライフを夢見る京都大学の新入生「私」の大学での様々な過ごし方を描いたアニメです。

 

さてそんなアニメにはが猫ラーメンなる店が登場します。曰く、「猫でダシを取っているとの噂があるが、味は無類である。」とのこと。

 

 

そう、何を隠そうこの猫ラーメンのもとになったのが、タイトルのはらちゃんラーメンなのです。

 

自分はこの店を新歓で出会ったサークルの先輩から教えてもらい、公式サイトを確認し、友人を誘い訪れました。

その時の感動は今でも忘れられません。

いったい「私」は何をもって無類の味と表したのか、こんな継ぎはぎの屋台に人が並ぶほどのラーメンは如何程なのか。そういったわくわくがそこにはありました。

 

 

 

猫ラーメン/はらちゃんラーメン

出町柳駅の橋向こう、鴨川デルタの西側にある屋台であるこの店は、雨の予報があれば必ず閉店になるほど、気ままに営業している。

営業するかは公式ブログをチェックして、18時前後の投稿を待つしかない。

営業が確定しても、店の開店は20時から。

夜1時までやってるものの、当然売切れればそこで営業は終了する。

 

そんな気まぐれな店ではあるが、いや、そんな気まぐれな店だからこそかもしれないが、三度行けば二度は行列に並ぶ必要がある。

客は学生が中心だが、家族連れや、老人も散見された。

店主と親しげに話すお客さんも多く、中には赤ちゃんが生まれた報告をする人もいた。

そういった、地元に愛された店だったのだ。

 

店内は簡素で、テーブルは3つ。最大で4人、3人、2人座るのが限界だろう。

ラーメンの種類は並と大。強いて言うならば、唐辛子入りのニンニクの量を調整できるくらいだろう。

並は600円、大は700円。

店の外側にはコップと給水機があり、そこで水を汲むことができる。

ガラスの細長いコップは動物のかわいらしい柄が多かった。

4,5分も待てば頼んだラーメンは出てくる。

プラスチックの皿受けの上、非統一なラーメン杯に、ラーメン大なら傾けるとスープが零れるほど並々と注がれている。

そのスープは唐辛子の赤がゆらゆら煌いて、パサパサしたチャーシューの香りと合わせて食指が動く。

 

自分は味音痴な方なので、あまりあてにはしてほしくないのだが、味は素朴な、されどどこでも食べたことのないような、スープを飲み干してしまくなるような味だった記憶がある。結局のところ、唐辛子の味が一番印象的だったのかもしれない。それでも何度でも食べたくなるようなうまさがあった。

麺は日によって出来はバラバラだが、スープとよく絡む、緩い麺だったはずだ。小食な自分でも大は軽く食べきれるくらいの量だった。

 

ラーメンの写真を撮るのは許可されていたが、店主や店の外見の撮影、また当然他の客の迷惑になることは禁止されていた。

たまに店の外見を勝手に撮影する人がいて、そういったとき店主は静かな怒りを見せていたように思える。

 

 

ラーメンの画像を探したが、これくらいしか見当たらなかった。また見つかれば追加するかもしれない。

 

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巻末

以上の稚拙で雑な文章では伝わらないであろうから明言しておくと、自分にとってはらちゃんラーメンは、京都での生活において、無くてはならない、と言うほどでは無いにしろ、一定の格のあるものでした。

最も多く行ったラーメン屋さんは間違いなくここでしょうし、京都で最も四畳半神話大系のような雰囲気を感じれたのもここでした。

 

二度と食べられないのは残念ですが、今まで美味しいラーメンと素敵な情緒をありがとうございました!